アレルギー反応の仕組みについて

アレルギーには花粉症などの季節性アレルギーやシックハウス症候群などの通年性アレルギーなど様々な物がありますが、アレルギー反応はどのように起こっているのでしょうか?またどのようにしてアレルギー反応を改善すれば良いのでしょうか?アレルギー反応はそのアレルギーの対象(アレルゲン)に対し体内でIgEという抗体ができてしまい、そのIgEとアレルゲンが反応して起こる反応がアレルギー症状です。

アレルギー」は英語でなんて言う?関連の単語や例文まとめ - ENGLISH JOURNAL ONLINE

 

 

1.アレルギーとは

アレルギーとは、あるものに対して過敏に反応する状態で、免疫反応が関係するものをいいます。免疫とは、体を守るための防御システムで、もともと生き物が持っている自然免疫と、何らかの刺激を受けてあらたにできる獲得免疫とがあります。

3 Reasons Why Your Indoor Allergies Are Worse in the Winter (and How to Fight Back!) – Health Essentials from Cleveland Clinic

 

 

アレルギーの仕組み

アレルギーについてよくわかっているのは、獲得免疫の中のIgEという抗体が関係する反応です。IgEは、細菌やウイルスに対する抗体と違って、自然界のなんでもない物質、たとえばダニや花粉や食物タンパクに対してできてしまうので、それが体内に増えると、その物質(アレルゲン)に対して敏感に反応してしまうのです。

 

アレルギー体質とは

アレルギー体質はこのIgEを作りやすい体質で、遺伝的にかなり決定されています。何かのアレルゲンに対しそのIgEを持っていることを、そのアレルゲンに「感作されている」といいます。

しかし感作=病気ではなく、IgEとアレルゲンが反応して初めてアレルギー症状を起こすのです。

 

 

アレルギー体質の方が気を付ける事

もともとのアレルギー体質に、いろんな環境の悪化因子が作用して病気が発症する、あるいは病状が悪化するのです。

体質はなかなか変えられませんが、何が悪化因子かを知って、環境を整えることでアレルギーの病気は発症を予防できたり、症状を軽くすることができるのです。

 

 

2.多種多様なアレルギー反応

何がアレルゲンになるか、どういう反応がおこるかは、年齢によっても異なり、個人個人でも違う、環境によっても左右されます。また、どこにどんな反応がおこるかによっても病気が違ってきます。

Why Do We Get Allergies? - BergerHenry ENT Specialty Group

 

幼少時に起こりやすいアレルギー反応

赤ちゃんの食物アレルギーは、皮膚のバリア機能が悪い時期にアトピー性皮膚炎があると起きやすいことがわかっています。食べるものの量や火の通り方や食べる方の体調などで、反応は、ちょっとしたぶつぶつから、ショックまで幅広くさまざまで、すごく複雑です。

でも、腸の中で食物アレルゲンを処理して体が受け入れる(寛容といいます)ようになると、成長とともにアレルギー反応をおこさなくなることがほとんどです。

 

 

季節性アレルギーによる反応

また、現在増えている花粉症は、毎年飛んでくる花粉に毎年少しずつ体内のIgEが増えていき、ある年鼻や目にアレルギー反応がおこります。鼻水、くしゃみ、目や鼻のかゆみなどで、これが花粉症です。昔は成人の発症でしたが最近は幼児での発症も増えてきました。花粉症ではその症状の程度によって軽微な物から発熱に繋がる物まで様々なので発生を感じた場合には医師に相談しましょう。

花粉症の記事は下記リンクからご覧ください。

春の花粉症対策は万全ですか?

 

アレルギーによって起こる疾患の種類

  • 気管支喘息
  • アトピー性皮膚炎
  • アレルギー性鼻炎
  • アレルギー性結膜炎
  • 花粉症
  • じんましん
  • 食物アレルギー
  • アナフィラキシーショック

アレルギーで起こる主な病気には上記の物がありますが、病状の程度はさまざまです。積極的に治療が必要な場合もあれば、生活上の注意だけで普通に過ごせることも少なくありません。

 

 

 

3.アレルギー疾患増加の傾向

子どものアレルギーは増えています。気管支喘息の有症率は2000年の調査で5~10%とされ、食物アレルギーは、小学生・中学生の調査で、平成16年は2.6%だったのが、平成25年は4.5%とほぼ倍になっています。乳幼児では約10%が食物アレルギーがあるとされ、アレルギー性鼻炎も、発症時期が早まり、小学生で約9.2%が診断されています。
Allergies, COVID-19, and the flu—what are the differences? | Life at the U | Faculty and Staff News | University of Miami

 

環境変化に伴うアレルギー増加

アレルギーの病気は、もともとアレルギー体質があるひとに起こるのですが、最近のアレルギー疾患の増加は、環境の変化が影響しているといわれています。

住宅環境によりダニやカビが増える、食品流通や食生活の変化で洋風の食事や食品添加物が増える、皮膚に厳しい乾燥環境が増える、感染症の病気が減ってからだの免疫反応がアレルギーの起こりやすい方向に傾くなどがあげられています。

 

アレルギー症状がある場合には病院へ

患者さんのアレルギーの病気を正しく診断し、治療するとともに、アレルギーのしくみを説明し、環境や生活について、正しく指導、助言して下さる方々がアレルギー専門医です。

アレルギーの病気は、アレルゲンが体にはいってきて反応を起こすので、長い間アレルゲンを排除することが指導の内容でした。

しかし最近は、アレルゲンを少しずつ体内にいれて、反応をおこさないようにしながら治しすワクチン治療に似た免疫療法が注目されています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です